2013年8月26日

歴史的公文書の選別と保存について

 先の文書管理セミナーでもテーマの一つとなっていた歴史的公文書の保存。
 保存期間を満了した公文書の中から、その自治体にとって歴史的に重要なものを選別して保存するという作業ですが、実際の現場では、様々な要因からその対応に苦慮している自治体が多いようです。

 選別基準については、一般的なガイドライン等はあるものの(これがあるだけでかなり助かるのですが)、実際の選別では、その自治体独自の地域性や歴史的背景があるので、専門的な知識を有する職員はもとより、その地域に精通した職員、または当時を知る役所のOBなどの存在は不可欠となります。
 そういった専門職員の確保、入力等を担当する要員、さらに保存場所の確保、アウトソーシングする場合はその予算などただでさえ考慮すべき点が多い中、
 さらに、保存されている文書の目録が正確でない、または作られていないとなると、
・目録を作り直さなければいけない。
・永年で保存されているものを二重に保存してしまう。
・所在確認ができず、保存されているはずの原本を確認できない。
等々、選別作業の手間はますます大きくなっていくでしょう。

 文書の発生からしっかりと目録を作り、所在管理をしっかりと行なうことが、文書の検索だけでなく、選別作業の効率にまで大きく影響を及ぼします。
 結局は、日々の文書管理が「地域の歴史を残すということ」につながっているといえるでしょう。